今、息子の合格体験記を読み終えて提出の準備をしていると「保護者体験記を書いてほしい」と強く懇願されました。聞けば、自身の受験生活に大きく影響した反抗期について、親子関係や数々の失敗を知ってもらうことで合格への妨げにならないように参考にしてほしいとのこと。親の私からすればお恥ずかしい限りではありますが、先生方の協力・連携が親子それぞれの救いとなりましたので、感謝を込めて記そうと思います。
5年生の11月。自他ともに認める反抗期第一日目となりました。この日は午前中にテスト、午後には灘中学への見学を控えた日で、記念すべき反抗第一声がありました。内容は…筆が進まないほどお恥ずかしいのですが、身支度の際の服装への指摘→強烈な拒否でした。そこからの口論はテストに遅刻するほどの興奮状態で、親子共々何が何だかわからない状態というのが正直な気持ちでした。何とか塾に送り入れて先生と電話でお話させてもらうと、到着早々事務所で本人が泣き出したとのこと。「お母さん。これは…反抗期ですね! 少し時期は早いかもしれませんが、6年生入試直前に開始すると受験生活には命取り。とっても良いタイミングで成長が開始しましたね!」母のショックを気遣うように、もう少し申し訳なさそうに告げられた気はしますが、先生方のご指摘を聞いて私自身も納得(反抗期でなければ悪魔が乗り移ったのかと心配になるレベルでした)。帰宅後、落ち着いた息子と話をしました。
★反抗期は成長に大切な自立の一歩だから、親としては大歓迎だということ。
★母のコンディションも左右されるので、受け流せる時とぶつかる時があるであろうこと。
★反抗期の感情(以降、発作と呼ぶ)は、学習のヤル気とは全く別問題なので、言い訳にしないこと。
★母に指摘されて不快なのであれば、自身でマネジメントしていくこと(母の代弁は先生に依頼)。
★受験生活も成長の過程も、家族全員全力で応援していること。
本人も感じたことのない感情に苦しんだとのことで、上記を話し合ったことで安心した様子がありました。
その後、受験終了まで1年2か月ほどの間に「発作」と呼ぶ大きな親子バトルは4~5回あったでしょうか? その間、そんな態度なら塾辞める!? 送らないよ!? 合格は甘くない! などの言葉は口癖になりそうでしたし、お互い不快になる出来事も多くありましたが、基本的には親子共々反抗期を風邪や口内炎のように捉えていたので、慣れてくるとシニカルなジョークで交わすことも多くなっていました。大きなバトルの後に苦手なおかずが入った「叱られ弁当(本人の命名)」を持たせると、帰ってきて「勘弁してー!」と大笑いしていたり、強い反抗の直後には親が驚くほどの思いやりが見えたり、宿題の管理をはじめ学習マネジメントも本人に任せるようにしていたので、まさに大きな成長そのものであったと思います。
3日目の入試から帰宅して手を洗っていると「あれ? こんなに仲良かったっけ?」と本人が口にし、鏡越しに拍子抜けした顔で笑い合ったのが、本人の記した反抗期第一章の終わりの瞬間だったのでしょう。比較的前向きに、そして自由に、また淡々と受験生活を楽しんでいた方だとは思いますが、やはりプレッシャーやストレスもあったのだと思います。それらが反抗期の感情と混じり合って複雑な態度となっていたことを実感しました。
今、改めて振り返ると、反抗期のおかげでとても思い出深い受験生活になっていったと思います。また、希学園の先生方は、もはや愚痴に近いような相談をも聞いてくださり、日々成長する態度に一緒に喜んでくださり、合格発表後は本人を交えて笑い話として扱ってくださり…と、受験生活のみならず人生の成長を支えてくださいました。本人から見て「ステキな大人」である多くの先生方を慕っていた気持ちが理解できます。叱咤激励、そして可愛がっていただいたこと、心より感謝しております。
最後になりますが…もし万が一反抗期にお困りの際には、恥をさらしてでも「先生方へのSOSが合格・成長への勝因」ということを伝えたかった親子がいたと思い出していただければ幸いです。また、皆さまの受験生活が思い出深いものとなりますようにお祈り申し上げます。
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