代々卒塾生が書いてきて、後輩たちに読まれてきた合格体験記。僕も入試前日まで読み続け、励まされたり安心させてもらったりしてきました。そんなこともあり、自分も合格体験記を書くことで恩送りしたいという気持ちが日に日に増してきていたところに「合格体験記 寄稿のお願い」をいただき、今に至っています。
僕が受験期においてどのように七転八起してきたのかを主題にと思い書きました。少しでも参考にしていただければ幸いです。
まずは自己紹介の意味も含めて入塾前にしていたことを書こうと思います。
〈入塾前〉
この頃は勉強というよりも自分の好きなことに熱中するのが日常になっていました。一風変わった趣味でいうとスーパーの広告集めやチロルチョコレート集めなんかもあったでしょうか。このように数え上げると十指に余るのですが、その中で特に熱中したものや今も続けているものを紹介しておきます。
鉄道
幼稚園の頃、東京に行った時にJR東日本の各駅においてあるスタンプを集めるのに夢中になり、一日中電車に乗っていたことがありました。僕は平気だったものの母親はよほど疲れたようで寝込んでしまいました。それぐらいあの頃は電車が好きだったのです。土日には電車に乗って遠出することもしばしばありました。
将棋
小学1年生の時に、友達が将棋教室に入ったというので僕もしようと思って始めました。将棋は、強いという訳ではなかったのですが、楽しんでしていました。
読書
幼い頃より本がとても好きでした。ただ今とは違って全てのジャンルというよりは伝記や時代劇小説をよく読んでいました。
歴史
始まりは本にありました。本で歴史を知っていくうちに、実際に行ってみたい、見てみたいと思う気持ちが強くなり、城や歴史博物館に行くようになりました。今でもその思いは強く、2月にも行く予定です。
水泳
僕が好きなスポーツです。上手とはとても言えないですが約10年間続けていました。
〈入塾後〉
~点数がよくない時に~
人である以上、悪い点数を取ることもあります。もちろん僕もありました。そのあたりを詳しく書いてみたいと思います。
5年生の最高レベル演習算数が始まってすぐの時に、復習テストで65点、計算テストで20点を取ったことがありました。家族会議で分析をした結果、学園前教室から谷九教室に変わり、新たな場所に慣れていないからではという結論に至ったので、今日のことは忘れることにしました。また計算は平日しかしていなかったので、毎日するようにしました。
僕の受験期において、一番悪い点数を取ったのは5年生の3月(5年生の2月より6年生の授業が開講)にあった志望校別特訓算数の復習テストでした。原因はテストの最初の方に理解が薄かった宿題応用版が数問出て、解けずに焦ってしまったことでした。「焦り」の連鎖が17点という点数につながってしまったのです。この時は大きなショックを受けてその後の授業が聞けない程に落ち込みました。当日の帰宅後にチューターの松田先生より「何があったんや」と電話がありました。その時に先生から「クラスが変わっても、1か月で絶対に0組の最前列に戻ってきてください」と励ましてもらいました。さらに両親にも「よくあること、大丈夫」と言ってもらい、何とか平常心を取り戻すことができました。その結果、翌日の合否判定テストでは灘中A判定を取ることができたのです。
また志望校別特訓については、希学園の仲間たちは「精鋭」なので苦戦しましたが、宿題のまわしかたを変えたことが功を奏しました。2か月かかったものの何とか0組の最前列に戻ることができました。
他には6年生8月のプレ灘中入試算数Ⅱで31点を取ってしまったこともありました。この時は算数Ⅰにとても自信があり、満点を取ってやろうと思ったことが原因でした。このとき見直しの重要性を再認識しました。
3つ例を上げましたが、全ての場合で行ったのは共通して同じで『失敗の原因を調べて改善した後、起こったことは忘れる』ということです。そうすることで持ち直すだけでなく、前より成績はアップしていきました。
~宿題がまわらない時に~
志望校別特訓[第Ⅰ期]と[第Ⅲ期]が始まった頃に、宿題がまわらなくなりました。その時に母とこんな会話をしたことがありました。
「あなたが今、一番しないといけないことは何?」
「勉強」
「じゃあ優先順位をつけて、その他のことは少しの間だけ我慢しなさい」
将来のために一番大切な時期なのだから、確かにそうするべきだと思ったのを覚えています。僕の例でいうと勉強が一番、読書が二番だったので、[第Ⅰ期]が始まった2月にはゲームを封印し、[第Ⅲ期]が始まった8月には、読書やすきまの時間を少し削ることで乗り切りました。
また、学園長がメッセージ動画でおっしゃっていた『寝る時間だけは削ったらあかんぞ』という言葉に、どきりとしたこともありました。その頃は寝る時間が短くなりかけていたので修正し、絶対にしっかり寝ようと心にちかいました。生活のリズムは崩さない。それもまた「実力を全て発揮する」という大きな力になったのではないかと感じています。
希学園の宿題はぎりぎりまわせる量にしてあります。とてもきついのですが、「焦り」と「不健康」だけは絶対に生まないようにしました。入試対策期に入るとさらに大変になりましたが、前述のことは守り抜きました。僕の場合は宿題をまわすのに精一杯で、それまでの復習ができないままやり残した状態で入試を迎えました。
〈最後に親愛なる後輩たちへ〉
希学園で最高の先生と友と教材に恵まれた君たちは、精鋭集団である。
自信をもってほしい。
たとえ僕のように北嶺入試で水筒を忘れようとも、雨の灘中入試で受験票がぬれて破れそうになっても、全く心配することはない。焦るな。
いつも通りにしっかりと取り組めば、おのずと合格はついてくる。
〈信条〉
僕がいつもこころに置いて、入試まで読み返していた名言を書いておきます。
何かに挑戦したら確実に報われるのであれば、誰でも必ず挑戦するだろう。
報われないかもしれないところで、同じ情熱、気力、モチベーションをもって継続しているのは非常に大変なことであり、私は、それこそが才能だと思っている。
成功があがりでもなければ、失敗が終わりでもない。肝心なのは、続ける勇気である。
大きくても30センチほどのヤマメと、その倍もあるサクラマスが、もともとは同じ魚だということをご存じですか? 川での生存競争に敗れたヤマメの一部が、餌を求めて海へと下り、餌が豊富な海を回遊するうちに大型化したのがサクラマスなんだそうです。
そのときは負けたように思えても、自分で自分に見切りをつけなければ、人生に『負け』なんてものは存在しません。…
いつの日か僕も「名言」といわれる言葉をつくれる人になりたいと思い記す。
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