日頃から知識に対する興味関心を持つことができているかどうか、という常識力が求められます。
例えば、「食品の保存方法」について、下記のような問題が出題されました。
どれもスーパーマーケットなどで並んでいる食品で、日常生活において馴染みのある物ばかりです。
そういう物に対しても、常識を持っているかどうかが問われています。
「使いこなせる」言葉を身につけるために、「聴く」ことができ、「話す」ことができるかどうか、という言語力が求められます。特に、灘中入試においては、下記のように、三字熟語の問題の場合、三字とも答えなければなりません。
ヒントになる一文字があるような他の中学校の入試とは違いますので、その言葉が本当に自分のものになっていないと答えられない問題です。
そういう普段使わない語彙を増やすためには、日頃から大人の言葉の会話をしているか、できているかが求められます。家庭内においても、子ども目線の会話をするのではなく、大人目線の会話で言語力を培っていくことが重要です。
言葉の知識だけではなくて、言葉を使ってきちんと対話ができるかどうか、という対話力が求められます。
下記のような問題であれば、具体的にわかりやすく説明するだけでは充分な解答とはいえません。
何を、どのように思った、と聞かれているので、…を、…と思った、と答えないといけません。
すなわち、聞かれていることに対してきちんと答えることができるか、対話ができるかどうかが必要となります。
文字で与えられた情報に対してそれがどういう状況かを想像することができるかどうか、というイメージ力が求められます。
下記の問題においても、俳句自体を知っていないと答えられないという観点ではなく、状況を頭の中でイメージして解答に導くという想像力があれば答えることができます。
城をとりまく、という言葉から想像できること、すなわち、城の周りには堀があり水がある、という状況がイメージできれば、たとえその俳句を知らなくとも解答にたどり着くことができるのです。
正確に作業することができるかどうか、という処理能力が求められます。
下記の問題においても、まずは作業をさせる形式の問題となっています。
思考に入る前に作業をさせ、作業をさせたうえで思考力を問うという、グラデーションがつけられています。
よって、まずは思考に入る前の作業が全てなのです。作業が正確にできないとこの問題は正解することはできません。作業が正確にできるかどうか、その上で思考力を問う本質的な力が試されているのです。
経験したことを自分のものにすることができる、初めてならう内容にもついていける対応力、自分で調べて疑問を解決する力、このような応用力が求められます。具体的には、表・グラフ・文章・前問までの考え方の中から、その問題に必要な情報を選んで組み立てる力です。
これは思考力に近いものであり、灘中が最終的に求めている力であると言えます。
常識力、言語力、対話力、イメージ力はいわば「人間力」に近いものではありますが、そういう知識や経験値を豊富に持っていて、柔軟な思考ができることを前提に、最終的に問うていきたい力がこの応用力なのです。
下記のような問題(問2(5))を解いていくうえで、知識やテクニックを使うのではなく、与えられた情報からその場で考え、経験したことを知識としてきちんと使いこなせるかどうか、という力が必要となります。
①~⑥のような力を発揮して、初めてみる問題に対応できるか、という初見対応力が求められます。
初めてみる問題が解けるようになるためには、さまざまな力を身につける必要があり、さまざまな力が問われていると言えます。ですから、初見対応力をどうやって育てていくかと言えば、初めてみる問題をたくさん与えるというだけではなく、①~⑥のような本質的な学力を身につけていく必要があります。いわば、「人間力」に裏付けされた学力を身につける、ということに尽きるのです。
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